イタリア・トスカーナのピサのドゥオモ広場は、斜塔で知られるピサの斜塔(鐘楼)と大聖堂・洗礼堂・墓地区が並ぶ広場で、1987年に世界文化遺産に登録されました。この記事では、ピサのドゥオモ広場とは何か、世界遺産に登録された理由、斜塔の成り立ちと見どころ、アクセスをまとめます。

ピサのドゥオモ広場とは

ピサの大聖堂

ピサのドゥオモ広場(Piazza del Duomo, Pisa)は、イタリア共和国・トスカーナ州ピサ市の北西にある芝生の広場(カンポ・デイ・ミラコーリ)と、その上に建つ大聖堂(ドゥオモ)洗礼堂鐘楼(斜塔)カンポサント(墓地区)の建造物群です。11世紀から14世紀にかけて建設され、白い大理石を基調としたロマネスク様式の傑作として知られています。鐘楼は建設中から傾き始め、「ピサの斜塔」として世界的に有名になりました。

世界遺産に登録された理由

ユネスコは、ピサのドゥオモ広場を次のような価値で評価しています。

  • 基準(i):大聖堂・洗礼堂・鐘楼・カンポサントは、中世イタリアの建築と彫刻の傑作であり、広場全体が一つの芸術作品をなしていること。
  • 基準(ii):ロマネスク建築が地中海世界で発展するうえで、ピサの建築家・職人が果たした役割が大きいこと。
  • 基準(iv):宗教建築の複合体として、中世ヨーロッパの都市と信仰の関係を理解するうえで傑出した例であること。

斜塔の「傾き」だけでなく、広場と4つの建造物が織りなす全体の芸術的・歴史的価値が認められました。

歴史と斜塔の成り立ち

大聖堂は1063年着工、洗礼堂は1152年着工、鐘楼(斜塔)は1173年頃に着工しました。鐘楼は建設中に地盤の不同沈下で傾き始め、工事が中断と再開を繰り返しながら、14世紀に完成しました。傾斜は長年問題視され、1990年代の補強工事で安定し、現在は登塔見学が可能です。大聖堂はガリレオが振り子の実験をした伝承で知られ、ピサ共和国の富と信仰を象徴する建造物群として今に残っています。

見どころ(大聖堂・洗礼堂・斜塔・墓地区)

ピサの大聖堂の内部
  • ピサの斜塔(鐘楼):登塔は人数制限・時間制があり、事前予約を推奨します。傾いた階段と最上階からの眺めが人気です。
  • 大聖堂:白とグレーの大理石のファサード、内部のモザイクや説教壇の彫刻が見どころです。入場は斜塔などのチケットに含まれる場合と、別途の場合があります。
  • 洗礼堂:円形のロマネスク・ゴシック建築で、内部の音響効果でも知られます。
  • カンポサント:回廊式の墓地で、壁画の残る空間があります。修復のため閉鎖されている時期があるため、公式で要確認です。

各施設の入場料・開館時間はオペラ・デラ・プリマツィアーレ・ピサーナなど公式サイトで確認してください。

アクセスと基本情報

ピサ中央駅から徒歩で約25分、またはバスでドゥオモ広場近くまで行けます。フィレンツェからは電車で約1時間です。斜塔の登塔は予約制で、入場料・時間帯は公式で要確認です。

詳細はユネスコ世界遺産センターを参照してください。

イタリアの他の世界遺産については、アッシジ、サンフランチェスコ聖堂と関連遺産群の記事もあわせてご覧ください。

まとめ

ピサのドゥオモ広場は、斜塔を中心に大聖堂・洗礼堂・墓地区が並ぶ、中世イタリアの芸術が凝縮された世界文化遺産です。斜塔の登塔は予約を忘れずに、広場全体の景観とあわせて楽しんでください。

投稿者 伊藤

慶應義塾大学文学部卒業。在学中は西洋史学を専攻し、20世紀におけるアメリカの人種差別問題を題材に卒業論文を執筆。2021年に世界遺産検定1級を取得し、2024年には美術検定2級も取得。スタートアップ企業でCTOを務める傍ら、世界遺産クエストを通じて、世界遺産に関する発信活動を行う。

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