ニューヨーク旅行の計画を立てているなら、自由の女神は絶対に見逃せないスポットです。

このガイドでは、自由の女神の基本情報や歴史、デザインの背景、そして王冠への登り方など、観光前に知っておきたい情報をわかりやすくまとめました。

自由の女神についての知識を深め、友人やフォロワーに自慢できる情報を手に入れて、ニューヨーク旅行をさらに楽しんでください。

1.自由の女神とは何か?

ニューヨークのマンハッタン島と自由の女神像

自由の女神は、ニューヨーク市の象徴として世界的に有名なランドマークです。この巨大な銅像は、自由と民主主義の象徴として、多くの観光客を魅了しています。以下では、自由の女神の基本情報、デザインと設計者、そして象徴するものについて詳しく解説します。

自由の女神の基本情報

自由の女神は、正式には「世界を照らす自由」と呼ばれています。

この像は今から100年以上も前の、1886年10月28日にフランスからアメリカへの贈り物として完成しました。

ニューヨーク港のリバティ島に位置し、その高さは台座を含めて約93メートル(305フィート)に達します。像自体の高さだけでも約46メートル(151フィート)あるので、意外と大きく感じるかもしれません。

この巨大な像は、銅のパネルで覆われた鉄骨構造で作られており、その重量は約225トンにも及びます。

自由の女神の内部は階段で上ることができ、王冠部分からはニューヨーク市の素晴らしい景色を楽しむことができます。

また、像の足元にはアメリカ合衆国の独立と移民の歴史を示すプラークが設置されています。

自由の女神のデザインと設計者

自由の女神のデザインは、フランスの彫刻家フレデリック・オーギュスト・バルトルディによって手掛けられました。バルトルディは、古代ローマの自由の女神リベルタスにインスパイアされ、この像を設計しました。彼は自由の女神を「世界を照らす自由」として、手には自由と民主主義の象徴であるトーチを持たせ、左手には「独立宣言」の日付が刻まれたタブレットを持たせました。

像の鉄骨構造は、パリのエッフェル塔の設計者として知られるギュスターヴ・エッフェルが担当しました。エッフェルは、像が強風や自然災害に耐えられるよう、内部のフレームを強化し、銅パネルを支える構造を設計しました。この協力により、自由の女神は120年以上にわたり、ニューヨークの港でそびえ立つことができました。

自由の女神が象徴するもの

自由の女神は、単なる観光名所ではありません。その象徴的な意味は、アメリカの歴史と文化に深く根ざしています。まず第一に、自由の女神は自由と民主主義の象徴です。その右手に掲げたトーチは、自由の光を世界に照らすことを意味し、左手のタブレットには「1776年7月4日」というアメリカ独立宣言の日付が刻まれています。これは、アメリカが独立を達成し、自由を獲得した日を象徴しています。

さらに、自由の女神は移民の希望の象徴でもあります。20世紀初頭、数百万人の移民がエリス島を通じてアメリカに到着しました。その際、彼らが最初に目にするアメリカの光景が自由の女神でした。この像は、新しい生活と希望を求める人々にとって、歓迎のシンボルとなりました。

自由の女神の足元には、壊れた鎖と足かせがあり、これは圧政と奴隷制からの解放を象徴しています。この要素は、自由の女神がただの象徴ではなく、具体的な自由と解放を意味することを強調しています。

2.自由の女神の歴史

自由の女神は、ニューヨーク市の象徴として多くの人々に親しまれていますが、その誕生にはさまざまな歴史的背景があります。このセクションでは、自由の女神の建設の背景と経緯、フランスからアメリカへの贈り物としての側面、そして建設後の役割と変遷について詳しく見ていきます。

建設の背景と経緯

自由の女神の建設は、フランスとアメリカの友情を象徴するプロジェクトとして始まりました。19世紀後半、フランスはアメリカ独立100周年を記念し、アメリカへの贈り物として巨大な銅像を建設する計画を立てました。このプロジェクトは、フランスの法学者エドゥアール・ルネ・ド・ラブライエが発案し、フレデリック・オーギュスト・バルトルディがデザインを担当しました。

プロジェクトの資金調達は、フランスとアメリカの市民による寄付によって行われました。フランスでは、学校や市民団体が積極的に寄付を集め、一方アメリカでは、ニューヨーク市が台座の建設資金を募るために新聞でキャンペーンを展開しました。最終的に、両国の協力によって必要な資金が集まり、建設が進められました。

像の製造はフランスで行われ、完成したパーツは船でアメリカに運ばれました。ニューヨークに到着した後、台座の上に組み立てられ、1886年10月28日に正式に公開されました。

フランスからアメリカへの贈り物

自由の女神は、フランスからアメリカへの友情と連帯の象徴として贈られました。この贈り物は、両国の歴史的なつながりを強化し、自由と民主主義の理想を共有するものとして位置づけられました。フランスとアメリカは、18世紀のアメリカ独立戦争以来、密接な関係を築いてきました。フランスは独立戦争中、アメリカを支援し、その後も両国は政治的、文化的に強い結びつきを保っていました。

自由の女神は、この歴史的な関係を祝う象徴として、またアメリカ独立100周年を記念するものとして贈られました。贈呈式では、アメリカの大統領やフランスの使節が参加し、両国の友好を再確認する場となりました。

建設後の自由の女神の役割と変遷

自由の女神は、建設後すぐにニューヨーク市の象徴となり、多くの人々に愛される存在となりました。その後の歴史の中で、自由の女神はさまざまな役割を果たしてきました。

20世紀初頭、アメリカに移民する人々にとって、自由の女神は新たな生活の始まりを告げるシンボルでした。エリス島を通過する移民たちは、自由の女神を見て希望と自由を感じたと言われています。この像は、アメリカが「自由の国」としてのイメージを強化する役割を果たしました。

また、自由の女神は時折、政治的な象徴としても使用されました。例えば、第二次世界大戦中には、自由の象徴としての価値が再確認され、戦後の平和と民主主義の復興を象徴する存在となりました。

1980年代には、大規模な修復プロジェクトが行われ、自由の女神は再び輝きを取り戻しました。この修復は、自由の女神が今後も永続的にその象徴的な役割を果たすための重要なステップとなりました。

3.自由の女神の王冠への登り方

自由の女神の王冠

自由の女神の王冠へ登ることは、ニューヨークを訪れる観光客にとって特別な体験です。壮大な景色を楽しむためには、事前の準備と計画が重要です。このセクションでは、王冠までのルートとチケット情報、王冠からの景色と見どころ、そして安全に登るための注意点について詳しく説明します。

王冠までのルートとチケット情報

自由の女神の王冠に登るためには、事前にチケットを購入する必要があります。王冠へのアクセスは制限されているため、チケットは早めに予約することをお勧めします。チケットはオンラインで購入でき、自由の女神の公式サイトから予約が可能です。

ルートは、リバティ島行きのフェリーに乗ることから始まります。フェリーはマンハッタンのバッテリーパークやニュージャージーのリバティ州立公園から出発します。フェリーは定期的に運航しており、乗船券は自由の女神のチケットに含まれています。

リバティ島に到着後、セキュリティチェックを受け、自由の女神の台座へ向かいます。王冠までのアクセスは台座内部の階段を利用します。階段は狭く急で、約162段ありますので、体力に自信のある方にお勧めです。台座部分までエレベーターを利用することもできますが、台座から王冠までは必ず階段を使用する必要があります。

王冠からの景色と見どころ

王冠からの景色は、ニューヨーク市内でも最も美しいと言われています。王冠に到着すると、小さな展望スペースからニューヨーク港、マンハッタンのスカイライン、ブルックリン、そして遠くにニュージャージーの景色を一望できます。

この展望スペースは、自由の女神の頭部にあたる部分で、窓から見える風景はまさに圧巻です。ニューヨーク港の活動や、自由の女神の周囲を行き交う船舶の様子を見下ろすことができ、特に晴れた日には遠くまで見渡すことができます。

また、王冠内部では自由の女神の構造を間近で見ることができ、銅のパネルや内部の鉄骨構造に触れることができます。この特別な体験は、自由の女神の設計と建設技術に対する理解を深めることができます。

安全に登るための注意点

王冠への登りは興奮と感動に満ちていますが、安全に楽しむためにはいくつかの注意点があります。

まず、階段は非常に狭く急ですので、登り降りの際は十分な注意が必要です。特に膝や足に不安がある方、または高所恐怖症の方は、事前に自身の体調や状況を確認してください。階段の途中には休憩ポイントがないため、一度登り始めると途中で引き返すことが難しくなります。

また、自由の女神の内部は温度が高くなることがあるため、軽装で訪れることをお勧めします。夏場は特に暑くなることが予想されるので、水分補給を忘れずに行いましょう。

セキュリティチェックは厳重に行われるため、大きなバッグやリュックサックの持ち込みは禁止されています。必要最低限の荷物で訪れるようにしましょう。

最後に、王冠の展望スペースは非常に狭いため、長時間の滞在は避け、他の観光客との譲り合いを心掛けてください。写真撮影は素晴らしい思い出になりますが、他の人々が同じ体験を楽しめるよう配慮しましょう。

4.まとめ

ニューヨーク市の象徴としての自由の女神

自由の女神は、その壮大な姿と象徴的な意味で、ニューヨーク市のみならず、アメリカ全体の象徴として人々の心に深く刻まれています。その歴史、デザイン、そして象徴するものを理解することで、自由の女神の本当の価値をより深く感じることができるでしょう。ニューヨークを訪れる際には、ぜひ自由の女神を間近で体験し、その壮大な歴史と意味を感じ取ってください。

投稿者 伊藤

慶應義塾大学文学部卒業。在学中は西洋史学を専攻し、20世紀におけるアメリカの人種差別問題を題材に卒業論文を執筆。世界遺産検定1級。